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企画展「椿×名品展 ―ふたたび、五浦へ」

椿は吉祥のモチーフとして日本画、洋画、工芸などの分野で多くの作家たちによって表現されてきました。
本展は、椿絵のコレクションで知られるあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の所蔵から、尾形光琳(おがた・こうりん)に代表される琳派の工芸作品をはじめ、横山大観(よこやま・たいかん)、奥村土牛(おくむら・とぎゅう)らの日本画、岸田劉生(きしだ・りゅうせい)、香月泰男(かづき・やすお)らによる洋画など、椿の名品を展示します。
また、展覧会にあわせてさらに楽しんでいただけるよう、現代において椿をモチーフに作品を発表している茨城大学准教授・片口直樹の作品も特別展示します。
平成19年の展覧会以来、16年の時を経てふたたび展示される椿の名品の数々を心ゆくまでお楽しみください。

企画展「画家 岸田劉生の軌跡」

東京・銀座で生まれ、目薬「精錡水」を販売する楽善堂を営む家で育った岸田劉生。白馬会の洋画研究所で黒田清輝に外光派の画風を学び、ルノワールやゴッホ、セザンヌ、さらにはデューラーなどさまざまな人物に影響を受けます。その後、一転して宋元画や南画など東洋的な美に傾倒し、劉生独自の画風を切り拓いていきました。水彩画をはじめ、版画、日本画、挿絵など幅広く取り組み、さらに自画像や愛娘麗子をモデルとしたシリーズは見る者を惹きつける彼を象徴する作品となりました。本展では笠間日動美術館コレクションの岸田劉生作品を展示し、初期から最晩年にいたるまでその画業をたどります。

速水御舟展

速水御舟(はやみ・ぎょしゅう/1894-1935)は、明治の末期から昭和初期にかけて活躍した代表的な日本画家の一人です。この展覧会では本画約100点と素描により、型にはまることを嫌い、振幅の激しい画業を通して描くことの意味を問い続けた、御舟の画家としての道筋をあらためて振り返ります。

ケアリング/マザーフッド:「母」から「他者」のケアを考える現代美術 ―いつ・どこで・だれに・だれが・なぜ・どのように?―

いつ・どこで・だれに・だれが・なぜ・どのように?―ひとは誰もが、日々の生活のなかで、あるいは人生のさまざまな場面でケアを受け取り、またケアをする機会を経験します。ケアにかかわる活動は、誰もが必要とするからこそ、あたかも「誰か」の本質的な仕事のように自然化され、不可視化され、あるいは自己責任化されています。その「誰か」とはどのような「人間」であり、どのような「つながり」のなかにあるのか―本展覧会は15名・組による現代美術作品を手掛かりに、展示や関連プログラムをとおして、ケアを「ひとり」から「つながり」へとひらくことを試みます。

【出品作家】
青木陵子、AHA![Archive for Human Activities /人類の営みのためのアーカイブ]、
石内都、出光真子、碓井ゆい、ラグナル・キャルタンソン、二藤建人、マリア・ファーラ、
リーゼル・ブリッシュ、ホン・ヨンイン、本間メイ、ヨアンナ・ライコフスカ、
マーサ・ロスラー、ミエレル・レーダーマン・ユケレス、ユン・ソクナム

第86回企画展「いのちの色-世界をいろどる生きものたち-」

自然はいのちをもつたくさんの生きもので彩られています。生きものは、どのようにしてその色をつくり、なぜそのような色をしているのでしょうか。本企画展では、生きものの色のしくみやはたらきなどを紹介し、生きものの色を利用した染色や、絶滅してしまった生きものの色の再現についても取り上げます。生きものの色のなぜを知り、もう一度自然に目を向けてみませんか?

※土日祝日及び5月2日(火)の入館にはオンラインによる事前予約が必要となります。        詳しくは、ミュージアムパーク茨城県自然博物館のホームページをご覧ください。

企画展「旅するチバラキ~連作《水郷めぐり》の全貌~」

大正6年(1917)に4人の日本画家、飛田周山(ひだ しゅうざん)、水上泰生(みずかみ たいせい)、山内多門(やまうち たもん)、勝田蕉琴(かつた しょうきん)によって描かれた連作《水郷めぐり》は、利根川流域から茨城県南部の旅行をもとに生まれた作品です。画家たちは各所で写生し、それぞれ幅六尺(約180㎝)前後の横長の画面に仕上げました。 
本覧会では、水郷の湿潤な空気が伝わるような、水墨の描写を主とした文人画調の連作31点を展示します。今はもう失われてしまった、およそ100年前の利根川流域、茨城県南部の風景を、旅情とともにお楽しみください。