茨城の民話Webアーカイブ

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頭白上人伝説:入定し即身仏となる

トウハク ショウニン デンセツ ニュウジョウ シ ソクシンブツ ト ナル

伝説

神様や仏様が登場するおはなし|お坊さん、神主さん、小僧が登場するおはなし

原文

 千葉県佐原(香取市)の町から県道16号線(通称佐原八日市場線)を旧八日市場(匝瑳市)の方に進むと大根という集落がある。その通り沿いの来光というバス停の前に古墳のような小山がある。そして
「香取市指定史跡 頭白上人入定塚」
という看板が立てられている。
説明によれば、頭白上人はここ大根の西蔵院という寺の五代目住職となり、常に民衆の教化に勤め、人々から厚い信頼を得ていました。
 そのころ、この辺りで重病が流行り、火災や災難が続いて起こりました。室町幕府が衰え、戦国時代に突入していたころです。上人はこの上は、自分が即身仏の修法を行うことによって、仏の加護を願うより外に、人々の苦しみを救う方法はないと決断し、ここに入定窟を築き、いよいよ実行するに当たって、
「鉦(かね)の音が絶えたら私が往生したと思いなさい。私はいつまでも皆さんの幸せを祈っております。」
と村人たちに最後の別れを告げたのです。鉦の音は七日七夜聞こえたと伝わっています。この入定塚の上に古い板碑が置かれています。
 文明十八年(西暦一四八六年)の銘が入った大きな板碑です。

記録では入定したのはその三年前の一四八三年とされています。前の村松山虚空蔵などの再興などや母親供養の五輪塔などより前であり、年代関係は微妙にあいません。このため同一人物かどうかはわかりません。

 

原文著者 木村 進
原文著者(ヨミ) キムラ ススム
生年 1948年
原文著者備考 昭和23年 新潟県小千谷市に生まれる
現在 茨城県石岡市在 (株)アルテック 代表
昭和49年 慶応大学工学部大学院(修士)卒
大手電機メーカで設計などに従事、定年退職後ふるさとに眠る埋もれた歴史などを掘り起こし、ブログや書籍で活動をしている。
著書に「ちいきに眠る埋もれた歴史シリーズ」がある。「ふるさと風の会」会員
原文著者 LaLa mosura
原文著者(ヨミ) ララ モスラ
原文著者備考 イラスト 現在 茨城県石岡市 在 中学生 小学6年生の11月からイラストを描き始め、絵はすべてのモノに命があり、土や水にも顔があると考えて描いている。想像の世界のキャラクターたちがカラフルに描かれた独特のイラストが評判を呼び、地元を中心に個展を数回開いている。
媒体 zine
収録資料名 茨城のちょっと面白い昔話
収録資料名(ヨミ) イバラキ ノ チョット オモシロイ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 ふるさと風の文庫
民話ページ P7 〜 P9
収録資料出版社 ふるさと”風”の会
収録資料出版年月日 2016.12.1