ゴボゴボ池
ゴボゴボイケ
伝説
動物が登場するおはなし
原文
常陸風土記の丘公園の古代ハス(大賀ハス)が生い茂る「金山池」に伝わる狢(ムジナ)のお話です。
むかし、龍神山の中腹にある穴に古狢が棲んでおりました。この古狢はときおり近くを人が通ると、よく木に登り月に化けておりました。しかし、あわてん坊のこの古狢は、東の空に月が上りかけているのに、その反対側の空に月を出してしまい、通行人に見破られて石を投げられては、あわてて木からとびおり、いそいで藪に逃げ込んだりしていたといいます。
ある日の夕暮れどき、龍神山の麓にある金山池の辺りを通った男が、ふと池の方をみると、池の上にさし出た松のところに丸い、うす赤味をしたお月さまが出ていました。男はこれはまた間抜け古狢だなと思い、驚かせようと松の木の幹をゆり動かしたところ、狢は松幹に必死になってしがみついているようです。これを見た男は、さらに幹をゆすりながら大声で「馬鹿狢!池におっこちろ」と叫びました。その大声におどろいたのか、古狢は松の幹から手足を外してしまい、そのままドボンと水におちてしまいました。そして、ゴボゴボもがきながら池に沈んでしまいました。
それ以来、この池の水はいつも、ゴボゴボと鳴っているといいます。またこの時から、この池のことをゴボゴボ池と呼ぶようになったのだということです。
市町村 | 石岡市 |
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原文著者 | 木村 進 |
原文著者(ヨミ) | キムラ ススム |
生年 | 1948年 |
原文著者備考 | 昭和23年 新潟県小千谷市に生まれる 現在 茨城県石岡市在 (株)アルテック 代表 昭和49年 慶応大学工学部大学院(修士)卒 大手電機メーカで設計などに従事、定年退職後ふるさとに眠る埋もれた歴史などを掘り起こし、ブログや書籍で活動をしている。 著書に「ちいきに眠る埋もれた歴史シリーズ」がある。「ふるさと風の会」会員 |
原文著者 | LaLa mosura |
原文著者(ヨミ) | ララ モスラ |
原文著者備考 | イラスト 現在 茨城県石岡市 在 中学生 小学6年生の11月からイラストを描き始め、絵はすべてのモノに命があり、土や水にも顔があると考えて描いている。想像の世界のキャラクターたちがカラフルに描かれた独特のイラストが評判を呼び、地元を中心に個展を数回開いている。 |
媒体 | zine |
収録資料名 | 石岡地方のふるさと昔話 |
収録資料名(ヨミ) | イシオカ チホウ ノ フルサト ムカシバナシ |
収録資料シリーズ名 | ふるさと風の文庫 |
民話ページ | P73 〜 P74 |
収録資料出版社 | ふるさと”風”の会 |
収録資料出版年月日 | 2016.9.1 |
言語 | 日本語 |
方言 | 標準語 |
備考 | ¥750 収録資料シリーズ名および収録資料出版社は、標題紙による。 奥付には「風の文庫」「地域に眠る埋もれた歴史シリーズ(別冊1)」とある。 |
このおはなしが伝えられた地域