国分寺仁王門伝説
コクブンジ ニオウモン デンセツ
昔話
こっけいな人・愚かな人が登場するおはなし|お坊さん、神主さん、小僧が登場するおはなし
原文
それは今から四百年以上も昔のことです。
秋田から来た真面目な青年「佐助」は府中(石岡)の国分寺の薬師堂の門前で商いをしていました。そしてある時、「コマ売りの佐助が夜更けになると、国分寺の仁王門で何かやってるぞ」といううわさが府中の商人の間でささやかれ始めたのです。
佐助は、いつも仁王門左右に置かれている呵吽一対の仁王様が、カッと目を見開き睨みつけた表情の奥に何かとてつもない力を感じていました。仁王様の身の丈はおよそ六メートル。佐助はこの仁王門のどこかに、かつて常陸国を治めていた大掾氏の秘宝のありかが、梵字で記されていると聞いていました。しかし、それを知っているのは、すでに滅ぼされた大掾氏と薬師堂の和尚だけだったのです。
ある夜、コマ売りの佐助はこの梵字を写しているところを和尚に見つかってしまいました。そして「あっ!」と声をあげてその場を立ち去り逃げていったのです。その後、佐助の姿を見た者は誰もいません。
市町村 | 石岡市 |
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原文著者 | 木村 進 |
原文著者(ヨミ) | キムラ ススム |
生年 | 1948年 |
原文著者備考 | 昭和23年 新潟県小千谷市に生まれる 現在 茨城県石岡市在 (株)アルテック 代表 昭和49年 慶応大学工学部大学院(修士)卒 大手電機メーカで設計などに従事、定年退職後ふるさとに眠る埋もれた歴史などを掘り起こし、ブログや書籍で活動をしている。 著書に「ちいきに眠る埋もれた歴史シリーズ」がある。「ふるさと風の会」会員 |
原文著者 | LaLa mosura |
原文著者(ヨミ) | ララ モスラ |
原文著者備考 | イラスト 現在 茨城県石岡市 在 中学生 小学6年生の11月からイラストを描き始め、絵はすべてのモノに命があり、土や水にも顔があると考えて描いている。想像の世界のキャラクターたちがカラフルに描かれた独特のイラストが評判を呼び、地元を中心に個展を数回開いている。 |
媒体 | zine |
収録資料名 | 石岡地方のふるさと昔話 |
収録資料名(ヨミ) | イシオカ チホウ ノ フルサト ムカシバナシ |
収録資料シリーズ名 | ふるさと風の文庫 |
民話ページ | P59 〜 P60 |
収録資料出版社 | ふるさと”風”の会 |
収録資料出版年月日 | 2016.9.1 |
言語 | 日本語 |
方言 | 標準語 |
備考 | ¥750 収録資料シリーズ名および収録資料出版社は、標題紙による。 奥付には「風の文庫」「地域に眠る埋もれた歴史シリーズ(別冊1)」とある。 |
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