茨城の民話Webアーカイブ

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仏生寺と北向観音

ブッショウジ ト キタムキ カンノン

伝説

神様や仏様が登場するおはなし|神秘的なおはなし|お坊さん、神主さん、小僧が登場するおはなし

原文

 今から1000年以上前に筑波郡の中心は北条大池のすぐ近くの平沢地区にありました。一方茨城郡の中心は今の石岡にありました。そんなある日、都から浄土を求め旅する一人の僧侶がおりました。
 北条の平沢から筑波山から東に延びる尾根へ続くくねくねと曲がりくねった山道を汗をかきかき登っておりました。不動明王を祀る尾根の上に立ち、登ってきた南の方には今まで歩いてきた山や里が見渡すことができました。僧侶は、まだこれから行く豪華な七堂伽藍や七重の塔がそびえる国分寺のある常陸国国府(石岡)への思いを秘めておりました。そしてもうすぐ日も落ち始めておりましたので、旅の僧はこの峠から道を一気に下って行きました。
 ようやく急な山道も終わりそうになった時に、ふと山の中に光るものが目に飛び込んできました。不思議に思って光る方に近づいていくと光っていたのは白檀の木でした。僧侶は思わずその木を削り、そこに新しい仏が生まれたとさとり、時間の経つのも忘れ一つの仏像をこしらえました。そして一つの堂宇を建てて、その仏像を祀りました。そして里人に、この地は仏が生まれた地であるから仏生寺となづけてこの大切な仏像を守って行くように話をして去って行きました。
 この堂宇が今ある北向観音堂になったということです。

 

市町村 石岡市
原文著者 木村 進
原文著者(ヨミ) キムラ ススム
生年 1948年
原文著者備考 昭和23年 新潟県小千谷市に生まれる
現在 茨城県石岡市在 (株)アルテック 代表
昭和49年 慶応大学工学部大学院(修士)卒
大手電機メーカで設計などに従事、定年退職後ふるさとに眠る埋もれた歴史などを掘り起こし、ブログや書籍で活動をしている。
著書に「ちいきに眠る埋もれた歴史シリーズ」がある。「ふるさと風の会」会員
原文著者 LaLa mosura
原文著者(ヨミ) ララ モスラ
原文著者備考 イラスト 現在 茨城県石岡市 在 中学生 小学6年生の11月からイラストを描き始め、絵はすべてのモノに命があり、土や水にも顔があると考えて描いている。想像の世界のキャラクターたちがカラフルに描かれた独特のイラストが評判を呼び、地元を中心に個展を数回開いている。
媒体 zine
収録資料名 石岡地方のふるさと昔話
収録資料名(ヨミ) イシオカ チホウ ノ フルサト ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 ふるさと風の文庫
民話ページ P50 〜 P52
収録資料出版社 ふるさと”風”の会
収録資料出版年月日 2016.9.1
言語 日本語
方言 標準語
備考 ¥750
収録資料シリーズ名および収録資料出版社は、標題紙による。
奥付には「風の文庫」「地域に眠る埋もれた歴史シリーズ(別冊1)」とある。

このおはなしが伝えられた地域