茨城の民話Webアーカイブ

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吉生と峰寺山

ヨシウ ト ミネデラサン

伝説

やさしい人が登場するおはなし|子どもが誕生するおはなし|殿様や武将が登場するおはなし

原文

 石岡市吉生(よしう)には関東の清水寺とも称される峰寺山西光院があり、ここの欄干から八郷盆地から遠くの方まで見渡すことができます。また、この吉生(よしう)には、この吉が生まれる場所という名前がついた謂れが残されています。この寺は筑波山の中禅寺(今の神社や大御堂の基になった寺)を建てた高僧徳一がこの峰寺山の中腹に登った時に西の方に光がさしているのを見つけ西方浄土を祈願してここに寺を建立したという古くからの信仰のあるお寺です。
 いつ頃からのことだかわかりませんが、この寺は馬や牛の無病息災を祈願する信仰がありました。ご本尊も馬頭観音です。昔々、ある日ここにお殿様が奥方(妻)と参詣に訪れました。しかし、上り坂の途中で奥方が急に産気づいてしまい途方に暮れていた時に、村人が近くの清水を汲んで来て飲ませると痛みは治まり、その後無事に安産で元気な子が生まれたのでした。そのためお殿さまはこの地に「吉生」と名付け、寺も多くの参拝客が訪れるようになりました。また、毎年正月の祭礼にはたくさんの馬や牛を連れた人々が山の中腹の寺を目指して坂道に列をなしたそうです。

 

市町村 石岡市
原文著者 木村 進
原文著者(ヨミ) キムラ ススム
生年 1948年
原文著者備考 昭和23年 新潟県小千谷市に生まれる
現在 茨城県石岡市在 (株)アルテック 代表
昭和49年 慶応大学工学部大学院(修士)卒
大手電機メーカで設計などに従事、定年退職後ふるさとに眠る埋もれた歴史などを掘り起こし、ブログや書籍で活動をしている。
著書に「ちいきに眠る埋もれた歴史シリーズ」がある。「ふるさと風の会」会員
原文著者 LaLa mosura
原文著者(ヨミ) ララ モスラ
原文著者備考 イラスト 現在 茨城県石岡市 在 中学生 小学6年生の11月からイラストを描き始め、絵はすべてのモノに命があり、土や水にも顔があると考えて描いている。想像の世界のキャラクターたちがカラフルに描かれた独特のイラストが評判を呼び、地元を中心に個展を数回開いている。
媒体 zine
収録資料名 石岡地方のふるさと昔話
収録資料名(ヨミ) イシオカ チホウ ノ フルサト ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 ふるさと風の文庫
民話ページ P48 〜 P49
収録資料出版社 ふるさと”風”の会
収録資料出版年月日 2016.9.1
言語 日本語
方言 標準語
備考 ¥750
収録資料シリーズ名および収録資料出版社は、標題紙による。
奥付には「風の文庫」「地域に眠る埋もれた歴史シリーズ(別冊1)」とある。

このおはなしが伝えられた地域