茨城の民話Webアーカイブ

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大照院の龍

ダイショウイン ノ リュウ

原文

猿鳥群境町伏木南部の大照院というお寺には、狩野正敬の描いた龍の天井画があります。
むかし、この龍が天井の絵から抜け出しては、気の向くままにあたりをうろついていたという話が残っています。
ある時、戦に勝ってまだその興奮が収まらない武将たちが大照院前を通りかかり、境内に入って火を放とうとしました。
その時、突然天井の龍が動き出し、紅白の二匹の龍となって天に昇って行きました。
すると、あたりは一瞬のうちに暗雲におおわれ、幾千もの雷鳴がとどろきわたりました。
さすがの武将たちも、あまりの恐ろしさに腰を抜かさんばかりに驚き、蜘蛛の子を散らすように逃げ去って行きました。
村の人たちは、大照院が無事だったことを喜び、寺を守ってくれた龍に感謝しました。
ところが、それからというもの、龍は絵から抜け出しては、気ままに動き回り、村人を驚かしたり、作物を荒らしたりするようになってしまいました。
これには、村人たちも困り果て、何とかおとなしく天井に収まっていてもらう方法はないだろうかと相談しました。すると、村人の一人が、「龍のうろこを一枚消してみてはどうだろう」と、言い出したのです。村人たちは、半信半疑ながらうろこを一枚消したところ、それ以来、龍が絵から抜け出すことはなくなったと言うことです。

 

市町村 境町
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P210 〜 P210
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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