茨城の民話Webアーカイブ

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やきもち地蔵

ヤキモチ ジゾウ

原文

水戸市元吉田町吉田台地のはずれに、やきもち地蔵あるいは縁切り地蔵と呼ばれるお地蔵様があります。
道端の大きな榎の下で、如意輪観音、子安観音とともに、穏やかな顔立ちで佇んでいます。
むかし、このあたりにお寺があり、夜になると、その寺の明りが向かいの高台にある水戸のお城から、ひときわ眼だって見えるのでした。
それが、お殿様には気に入らなかったようです。
「あの寺の明りは目障りだ。寺をどこかへ移してしまえ。」と家来に命じました。
殿様の命令ですから従わざるを得ません。止むなく、寺はどこかへと移って行きました。
ところが、寺の門前にあったお地蔵様だけは、そのまま置いて行かれてしまったのです。それが気に入らなかったのか、それからというもの、お地蔵様はやきもちをやくようになってしまいました。
特に、若い男女が仲良く前を通ると、お地蔵様は大変やきもちをやき、いつのまにか、お地蔵様の前を通ると、禄を切られてしまうといううわさが広まりました。
やがて、この地蔵は、縁切り地蔵とも呼ばれるようになり、嫁入り行列や結婚したばかりの人は、この道を避けて通るようになりました。
それでも、逆に、いろいろな事情で相手と別れたいと願う人たちは、縁切りの祈願をしたのだそうです。

 

市町村 水戸市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P201 〜 P201
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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