小町の五輪塔
コマチ ノ ゴリントウ
原文
美人の誉れ高い、平安時代の女流歌人小野小町の生涯は、多くの謎に包まれています。
この世を去った地は、京洛(京都)であるとか、奥州であったなど説も多く、小町の追跡や墓塚についても、各地にいろいろな伝説が残されています。
小町が京を立ち、はるばる奥州へと向かう旅の途中のこと。潮来に立ち寄り、そこで月を眺め、さらに清滝の観音様まで足をのばすことにしました。
しかし、高齢になっての長旅で、疲労が重なり、それ以上旅を続けることができず、新治郡山ノ荘村小野郷(現在の新治村)の旧家小野源兵衛さん宅で、養生をすることになりました。
みず知らずの人に、手厚い看護をうけ、恐縮する小町に、源兵衛さんは、「病の時は、おたがいさまです。そんな心配はせずに、早く元気になって、またいい歌を詠んでください。」と励ましました。
しかし、源兵衛さんの看病のかいもなく、小町は元慶七年(八八三年)七月七日、六十九歳でこの世を去りました。
源兵衛さんは、小町をあわれに思い、屋敷内に立派な五輪塔を建てて、供養しました。
それから小野家では、毎年七月七日の命日には、小町の法要を欠かさないそうです、
そして、いつの頃からか、小町の墓にお参りをすれば美人になれるという言い伝えが広まり、年頃の娘さんたちが五輪塔に訪れるようになったということです。
市町村 | 土浦市 |
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原文著者 | 染谷 萬千子 |
原文著者(ヨミ) | ソメヤ マチコ |
生年 | 1947年 |
原文著者備考 | 1947年茨城県ひたちなか市生まれ 茨城大学教育学部美術科卒 1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。 1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展 1983年 水戸で第二回個展 1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展 |
原文著者 | 茨城いすゞ自動車 |
原文著者(ヨミ) | イバラキ イスズ ジドウシャ |
原文著者備考 | 発行 |
原文著者 | 朝日広告社茨城支局 |
原文著者(ヨミ) | アサヒコウコクシャ イバラキシキョク |
原文著者備考 | 企画 |
媒体 | 図書 |
収録資料名 | ふるさとの昔ばなし |
収録資料名(ヨミ) | フルサト ノ ムカシバナシ |
収録資料シリーズ名 | 茨城の自然探訪シリーズ |
民話ページ | P181 〜 P181 |
収録資料出版社 | 茨城いすゞ自動車 |
収録資料出版年月日 | 2000.10.31 |
言語 | 日本語 |
方言 | 標準語 |
備考 | 非売品 |