茨城の民話Webアーカイブ

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鎮守様を守った犬

チンジュサマ オ マモッタ イヌ

原文

東茨城部小川町山野地区にある息栖明神は鎌倉時代に創建された古い神社で、むかしから、村の鎮守様として親しまれておりました。
この神社には、次のような戦国時代のお話が残っています。
今から四百五十年ほど前の天文年間、村で大火事があったときのことです。
村人たちは、必死で火を消し止めようとしましたが、
火の勢いは増すばかり、村中にどんどん燃え広がっていきました。
そのうち、息栖神社にも、火の粉が降りかかり、社殿がくすぶり始めたのです。
ところが村人たちは自分たちの家を守ることで精一杯、とても神社までは手が回らなかったのです。
すると、その時、どこからか一匹の犬があらわれ、近くの鎌田川に飛び込み、体を浸すと、すぐさま社殿にかけ上がり、ブルブルと身震いして水をまき散らし始めました。
犬は、何度も何度も神社と川を往復しては水をまき、火災から社殿を守りきったのです。
次の日、社殿の前に力尽きて横たわる犬の姿がありました。
村の人々は、己を捨てて神社を守った犬に心を打たれると同時に、自分たちが何もできなかったことを深く反省し、犬を丘の上に手厚く葬りました。
そのあたりを「犬塚」といい、今でも地名として残っているということです。

 

市町村 小美玉市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P176 〜 P176
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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