茨城の民話Webアーカイブ

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竜宮橋

リュウグウバシ

原文

むかし、金田(現在のつくば市)の田んぼの中に竜宮池という小さな池がありました。
この池に、たくさんの子を生むという不思議な石がありました。
この石は、村人たちが池を渡る時の橋の役目をしたため、「竜宮橋」とか、形が髪形の島田に似ていることから「島田石」と呼ばれておりました。
子を生むということから、安産の神様としてあがめられ、村人は妊娠すると、この石の下から小さな石をひろって家へ持ち帰り、お守りにしていたのです。
そして、無事、子供が生まれると、お礼にきれいな石をひろい、倍にして返したといわれています。村人たちは、この石が安産だけでなくどんな願いでもききいれてくれると信じていたようです。
今から二百年あまり前の天明の大飢饉の時—この村もやはりひどい水涸れに苦しみ、村人たちは竜宮橋の上で火を焚き、雨乞いを始めたのです。
必死の願いが天まで届くよう、石が焼けて真赤になっても、どんどん火を焚き続けました。
しばらくすると、筑波山の方から雷雲がわきあがり、雷鳴が地をゆるがして鳴りひびきました。
すると突然、赤く焼けた石橋から竜が現われ、天高く昇ると、またたく間に竜は雲に乗り、筑波山の方へ飛んでいきました。
驚いて空を見上げる村人の上に、やがて大粒の雨が降り始めたのです。
村は、この豪雨で救われましたが、竜宮橋は、この時以来、子を生まなくなってしまいました。その後、信仰する人もなく、すっかり忘れ去られてしまっていたそうです。
現在は、金田上宿の八坂神社の境内に移されて、その姿をとどめているということです。

 

市町村 つくば市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P165 〜 P165
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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