茨城の民話Webアーカイブ

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だいだらぼう

ダイダラボウ

原文

むかし、額田南郷(那珂町)の田那辺原で荒れた畑を一人のお百姓が、せっせと耕しておりました。
その様子を、だいだらぼうという巨人が、真弓山に腰をおろして、のんびりと眺めておりました。
しばらくすると、だいだらぼうは、じれったそうに、ぶつぶつと独り言を言い始めました。
「何ともはかどらない仕事のしかただ。ああやって、いちいち鍬で掘りおこしていたら、何日かかるかわかるまいに。おれなら、畑の端っこを持って、ひょいとひっくり返してしまうのになぁ。そうだ。今晩、おれがそうしてやろう。明日、あの百姓が畑にでてきたら、腰を抜かすぞ。」
だいだらぼうは、夜がふけると、畑にやってきて、その端に手をかけ、渾身の力を込めて、一気にひっくり返そうとしました。ところが、何度やってみても同じ、畑はびくともしないのです。
そのうち、東の空が、ぼんやりと明るくなってきてしまいました。
「こりゃ、完全におれの思いちがいだ。百姓は、あんな小さな体で、コツコツと途方もないことをやるもんだ。」
だいだらばうは、あきらめて、陽が昇る前に帰っていきました。
額田南郷には、この時、だいだらぼうが踏んばってできた足跡が残っているのだそうです。

 

市町村 那珂市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P161 〜 P161
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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