茨城の民話Webアーカイブ

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愛宕神社の奉納相撲

アタゴ ジンジャ ノ ホウノウ ズモウ

原文

岩間町にある愛宕山は標高三〇六メートル。
山頂には、火之迦具土命をまつる愛宕神社があり、火難・盗難除けの神様として知られています。
本殿裏には奥の院・飯綱神社。その裏には十三天狗祠があります。
愛宕山は、むかし、筑波山、加波山と並ぶ天狗のすみかで、天狗たちが、ここで天狗道を修行していた言い伝えられています。
その天狗に関するお話です。
ある年、愛宕山のお祭りで奉納相撲が行われました。
その十人勝ち抜き戦でのことです。途中から毛むくじゃらの大男が現われ、対戦相手を次々と投げ飛ばし、そのまま十人抜きをしてしまうほどの勢いでした。
あまりの強さに、みんな怖じけづいてしまい、対戦する者が出てきません。
優勝は、もうこの男で決まりか、と思われた時です。
「よし、私がお相手しよう。」と、どう見ても強そうに見えないお坊さんが土俵にあがってきたのです。
誰一人として、このお坊さんが勝てるなどとは思いませんでした。
ところが、お坊さんは、身のこなしが軽く、土俵の上をぴょんぴょんと、すばしこく動きまわるので、大男は大苦戦。
そのうち、気合もろとも大男を土俵に投げつけてしまったので、みんなびっくり。
(紛れに違いない。あの坊さんがそんなに強いわけはない。)
そう思った人たちが、次々とお坊さんにぶつかっていったのですが、そのお坊さんの強いこと、強いこと。
あっという間に十人を勝ち抜き、賞品の米俵を軽々とかつぐと、早々に消えてしまいました。まわりで見ていた人たちは、(あの坊さんは、きっと天狗様だったに違いない。)とうわさしたということです。

 

市町村 笠間市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P150 〜 P150
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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