茨城の民話Webアーカイブ

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紙すきの里へ

カミスキ ノ サト エ

原文

むかし、緒川村には、緒川とその支流の流域に、たくさんの紙すき場がありました。このあたりでは、山あいの清流を生かした和紙づくりが盛んに行われていたのです。
江戸時代、水戸藩領になると、藩の奨励もあり、いっそう盛んになったということです。
二代藩主・徳川光圀は、当時、貴重品であった紙を特に大切にしておりました。
ところが、城中で光圀に仕える奥女中たちの紙の使い方ときたら、むだが多く、目にあまるほどでした。
そこで、光圀は、ある年の冬、奥女中たちを、松之草の小瀬沢川沿いの紙すき場に行かせ、作業を見学させたのです。
冷え冷えとした紙すき場では、凍り付くような川の水で紙すきの作業が行われていました。
和紙づくりは、たいへん手間のかかる仕事です。コウゾの白皮を煮て、川に晒し、それをたたいて繊維をほぐし、粘着材を加えて紙料液をつくります。
それを簀の子を敷いた木枠で何度かすくいとり、水分を取ってから乾かして、やっとできあがるのです。
奥女中たちは、寒中に和紙づくりの作業を目のあたりにし、これほど苦労してつくられる紙をむだにしてはいけないと気がついたということです。

 

市町村 常陸大宮市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P135 〜 P135
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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