茨城の民話Webアーカイブ

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やけどの薬を買いにきた美女

ヤケド ノ クスリ オ カイ ニ キタ ビジョ

原文

むかし、須賀津から浮島(桜川村)にかけての一帯は、湿原地帯で一面にカヤがはえておりました。
そのころ、カヤは、屋根をふくためには欠かせないものとして大量に使われておりました。
そこで、質のよいカヤをとるため、春先にカヤを焼く野原燃しは、たいせつな年中行事だったのです。ある時、佐原(千葉県)の薬問屋に、きれいな女の客が訪れ、やけどの薬を買い求めました。
店の者たちは、その女性のあまりの美しさに、ただただ見とれるばかりでした。「何と美しい人だろう。いったいどこからきたんだろう。」そう思って、外に出てみると、女性の姿はなく、立ち去った跡が水でぬれておりました。不思議に思い、店の者がその跡をたどって行くと須賀津の弁天堂の前で消えていたのです。
薬を買いにきたのは、野原燃しのためやけどをした須賀津の弁天様だったのです。
これをきいた村の人々は、ますます信心を深めたのでした。この弁天様は、今でも安産の守り本尊として信仰を集めています。

 

市町村 稲敷市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P124 〜 P124
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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