茨城の民話Webアーカイブ

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七本の角のある牛

ナナホン ノ ツノ ノ アル ウシ

原文

むかし、会瀬の浦(日立市会瀬町)にある釣見崎の岩壁が大シケのために、くずれ落ちてしまいました。
シケがおさまるのを待って浜に出た近くの村人たちは、くずれた岩の間から、七本の角のある牛の化石をみつけました。
ちょうどその頃、この村に関西から学問にすぐれたお坊さんがやってきておりました。そこで、その角を持っていくと、お坊さんは、「たしか、牽牛星のおめしになられる牛には、七本の角があると聞く。それに、この磯は、むかし牽牛と織女の二つの星が降りてきたので七夕磯と呼ばれるようになったというではないか…。この角は、天牛のものにちがいない。」というのです。
村人たちは驚いて、めいめいその角を木箱におさめ、大切にしまっておきました。
しばらくしてから、釣見崎にいってみると、そこにはもう牛の化石はなく、ポッカリと、牛の形をした洞窟があるだけでした。
もしやと思い、家へ急いでもどり、木箱をあけてみると、角も消えていたのです。
村人たちは、「やはりあの牛は天牛だったのだ。牛も角も天に帰ってしまったのだろう。」と七夕磯をながめやり、手をあわせました。その後、この洞窟は「牛の岩屋」呼ばれるようになったいうことです。

 

市町村 日立市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P110 〜 P110
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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