腕を切られたいたずらカッパ
ウデ オ キラレタ イタズラ カッパ
原文
むかし、芹沢(現在の玉造町)の殿様が、馬で遠乗にでかけた帰りみち、ある川岸までくると、馬が急に動かなくなりました。
殿様は、不思議に思って、後をふりむくと、何とカッパが馬のしっぽをつかんで離さないのです。
「これが、いたずらばかりして、村人を困らせているカッパか。よし、こらしめてやる。」
殿様は、さっと刀を抜くと、カッパの腕を切り落としてしまいました。
カッパは、その腕を持ちさろうとする殿様に、もう二度といたずらはしませんから、腕を返してほしいと泣いて頼みました。
この腕をいったいどうするつもりなのかと聞くと、カッパは、良い薬をもっているので、つなぐことができるのです。というのです。
かわいそうに思った殿様は、腕を返してやりました。
喜んだカッパは、その傷薬のつくり方を殿様に教えると、何度も何度も礼をいって帰っていきました。
そして、この薬は今でも芹沢家に伝えられているということです。
手の病気をなおしてくれるというので信仰されている与沢(小川町)の手接神社は、殿様がこのカッパの霊をまつり建てたものだといわれています。
市町村 | 行方市 |
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原文著者 | 染谷 萬千子 |
原文著者(ヨミ) | ソメヤ マチコ |
生年 | 1947年 |
原文著者備考 | 1947年茨城県ひたちなか市生まれ 茨城大学教育学部美術科卒 1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。 1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展 1983年 水戸で第二回個展 1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展 |
原文著者 | 茨城いすゞ自動車 |
原文著者(ヨミ) | イバラキ イスズ ジドウシャ |
原文著者備考 | 発行 |
原文著者 | 朝日広告社茨城支局 |
原文著者(ヨミ) | アサヒコウコクシャ イバラキシキョク |
原文著者備考 | 企画 |
媒体 | 図書 |
収録資料名 | ふるさとの昔ばなし |
収録資料名(ヨミ) | フルサト ノ ムカシバナシ |
収録資料シリーズ名 | 茨城の自然探訪シリーズ |
民話ページ | P109 〜 P109 |
収録資料出版社 | 茨城いすゞ自動車 |
収録資料出版年月日 | 2000.10.31 |
言語 | 日本語 |
方言 | 標準語 |
備考 | 非売品 |