むかし、水戸藩の殿様・徳川光圀が、東金砂神社（水府村天下野）に伝わる田楽舞のうちの獅子舞をごらんになり、「これはみごと。天下一じゃ。」と、おほめになりました。
しばらくして、この話が江戸の将軍様の耳にまで届き、御前で獅子舞を演ずることになりました。
そこで村人たちは、『天下一』の幟を立てて舞を披露したのでしたが、将軍様に「そなたたちは、誰の許しをえて天下一と称しているのか。」とおとがめをうけてしまいました。
すると、そばにいた光圀は、「これは天下一という意味ではございません。私の領内にございます天下野村でただ一つの獅子舞という意味でございます。」と言ってその場を無事切りぬけたのでした。
今でも、天下野村という地名は、その光圀の話からつけられたものと言われています。