茨城の民話Webアーカイブ

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食傷丸

ショクショウガン

原文

むかし、下江戸村(現在の那珂町下江戸)の斉藤家の作男が、静神社にお参りにでかけました。その帰り道、男は神社の裏山で大蛇が兎をのみこもうとしているところに出くわしました。
大蛇は、兎2匹をペロリとのみこむと、パンパンにふくらんだ腹をひきずりながら近くの草むらへ入り、ある草を食べはじめたのです。
すると、不思議なことに大蛇の腹は、見る見るうちに元通りになってしまいました。
(そうか、あの草は食べ物をとかす力があるのだ…こいつはいい。)
男は、大蛇の食べた草を刈りとると、家へ持ち帰り干してしまっておきました。
それからしばらく後のこと、男は、村の大食い競争で、みごと一等賞になり、賞金をもらうといそいで家へ帰りました。
今にも腹がはちきれそうでしたが、男はあの不思議な草をとり出すと、大量にのみこんで、寝てしまいました。
ところが次の日の朝、男の寝床は、もぬけのからで、ただ着ていた衣類と干し草が残っているだけでした。
斉藤家の人は、その草を粉にして少しずつのんでみました。すると、食べすぎによくきくので、家伝の秘薬とし、その後、この薬は「食傷丸」という名でひろく売られたということです。

 

市町村 那珂市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P90 〜 P90
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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