茨城の民話Webアーカイブ

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泉ヶ森

イズミガモリ

原文

むかし、水木(現在の日立市水木町)の里に長いこと雨が降らず日照りが続いて村人が苦しめられた年がありました。田畑の作物は枯れ始め、井戸も干上がる寸前にまでなってしまったのです。困りきった村人たちは集まって相談をしました。
「もう神におすがりするよりしかたがない。このままでは、死人も出かねないし、村中みんなでお願いすればきっと神様に通じるにちがいない。」
村人たちは、来る日も来る日も一心不乱に祈り、雨乞いを続けました。
ちょうど満願の日のことです。今まで晴れわたっていた空が急に暗くなったかと思うと、突然、人間の頭ほどもある水晶の玉が天から降ってきました。
水晶の玉は、カラカラにかわいた大地に土ぼこりをあげてめりこみました。しばらく村人たちが見守っていると、そこから清水が湧き出したのです。
はじめは小さな水たまりほどでしたが水はあとからあとから湧いてはあふれ出し、あっという間に泉をつくってしまいました。「水だ。ありがたい。願いが通じたぞ。」
村人たちは大喜び。この泉のおかげで、村は水ききんから救われたのです。その後、村人たちは、感謝の心をこめ、水晶の玉をご神体として泉神社を建てました。
これは、今も湧き水で有名な「泉ヶ森」に伝わるお話です。
泉神社を中心としたこのあたりは、昭和四十四年に、県の文化財史跡に指定され人々の憩いの場として親しまれています。

 

市町村 日立市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P83 〜 P83
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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