茨城の民話Webアーカイブ

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宿魂石

シュクコンセキ

原文

むかし、鹿島の神の武甕槌命と香取の神の経津主神が、国の秩序を乱す者をおさえ、常陸の国を平和に治めようとしておりました。
ところが久慈の大甕山の石名坂を支配していた香香背男は、ひどく乱暴な神で、逆らってばかりいるのです。鹿島と香取の神様は、たまりかね、とうとう武力をもって服従させようとしましたが、香香背男は妖術を使って、自分の姿を大きな岩に変えて抵抗し始めました。
岩はどんどん大きくなり、いつのまにか、山よりも大きく、雲をつきさくばかりに高くなり、そのうち天にも届くかと思われるほどになっても止まるようすがありません。
ついには、天照大神をはじめ多くの神々のすむ高天原に攻めこむばかりの勢いで、こんどは高天原の神様たちが困ってしまいました。
それを聞いた倭の里(現在の那珂郡瓜連町)の建葉槌命は鎧兜に身を固め、石名坂にかけつけると、その巨大な岩を金の沓で思いきりけとばしました。
岩は大きく三つに割れて、一つは石塚(常北町)に、一つは石神(東海村)に、もう一つは石井(笠間市)に飛んでいきました。現在、大甕神社に残っている巨石が、その根だといわれ、香香背男の魂の宿った石「宿魂石」として言い伝えられています。

 

市町村 日立市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P75 〜 P75
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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