茨城の民話Webアーカイブ

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殿様と蛇

トノサマ ト ヘビ

原文

むかし、佐竹城主で、大そう蛇の好きな殿様がおりました。それもお城の中で蛇を飼っており家来やお女中たちは、毎日毎日いやな思いをさせられていました。
さほど大きな蛇ではないのですが、お女中の中には、こわがって近づかないものさえいて、これには殿様も困っておりました。
しばらく考えた末に、殿様は、とうとう蛇を山へもどす決心をしたのです。
しかし、命じられた家来は、山でなくてもよかろうと、こっそりお城のお堀にすててしまったのです。
ある夜のこと、殿様の夢の中にその蛇があらわれ「お殿様、私は今お城のお堀にいるのです。ここには主がいて、私はいじめられてばかり。どうか助けてください。」と弱々しい声で訴えるのです。
殿様は、早速、次の朝、お堀の中を探させ、蛇をつれてこさせると、「よしよし、もうこれで大丈夫。」と、頭に八幡宮のお守りを結んで放してやりました。
すると、その晩、また夢の中に、蛇があらわれ、「お殿様、ありがとうございました。おかげで、あの主はいなくなり、こんどは私が主になりました。ご恩は一生忘れません。もし、日照りが続き水不足でお困りの時は、私にお申し付け下さい。きっと雨を降らせてみせます。」というと、ふっと消えてしまいました。
それ以来、水不足で困った時、そのお堀にお供え物をして、雨乞いをすると、不思議なことに、必ず雨が降るので、「御吉の雨」といわれるようになったということです。

 

市町村 常陸太田市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P73 〜 P73
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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