茨城の民話Webアーカイブ

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不思議な石

フシギ ナ イシ

原文

むかし、大洗に、海水を煮て塩づくりをしている老人かおりました。
ある夜のこと、老人はいつものように床についたのですが、なぜか夜中に目がさめてしまいました。起きだして、海をながめていると、突然、不思議なことがおこったのです。
空が一瞬燃えるように真っ赤になり、すぐまたもとの暗い空にもどっていきました。
(いったい、何がおこったのだろう…。)
老人は、夜明けをまって浜辺へ出てみました。すると、波打ち際に、今までにみたこともない二つの石が立っていました。高さは三十センチメートルほどなのですが、いかにも神々しく見えるものでした。それ以外は、いつもと変わらぬ見慣れた海原でした。
老人は気になって翌日もその場所へいってみました。こんどは二つの石のまわりを二十あまりの小石がぐるりとかこんでいるのです。一つとして同じ色の石はなく、中にはお坊さんが袈裟をきたようにみえる石もありました。(あれ以来、不思議なことが続くなぁ……。)
その晩、老人の夢の中に二人の神様があらわれ、こう言うのです。
「われわれは、昔、この国をつくった大己貴命と少彦名命である。しばらく東の方へいっていたが、今またこの国の人々を救うためにもどってきたのだ。」
老人は、早速、村人を集めてこの話をし、相談の結果、大小の石を二組に分け、一組を大洗磯前の丘に、もう一組は酒列磯前の丘に社をたて、まつることにしました。
これが大洗磯前神社(大洗町磯浜)、酒列磯前神社(那珂湊市平磯町)創建のいわれです。

 

市町村 大洗町
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P60 〜 P60
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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