茨城の民話Webアーカイブ

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七淵ヶ池の美女

ナブツガイケ ノ ビジョ

原文

むかし、七淵ヶ池(現在の行方郡北浦村大字山田)を通りかかった旅人が、美しい娘に声をかけられました。
「そこの旅のお方、あなた様はこの先の手賀の方へおいでになられるのでしょうか?もし、そうでしたら、誠に申し訳ないのですが、この手紙を手賀の権太夫池(現在の行方郡玉造町大字手賀)のそばの家へ届けていただきたいのです。」というのです。旅人は、ちょうど通り道なので、その手紙を引き受け、しばらく歩いていくと、こんどは白髪の老人によびとめられました。
すると、「病気には見えんが、あなたには死相があらわれているな。」というのです。旅人はびっくり仰天。
「そんな縁起でもないこといわないでくださいよ。私には思いあたることなんかないんですから。」
「それにしてはおかしい。では、ここへ来る途中で何か変わったことはなかったかな?何でもいいから思いだしてごらん。」「それなら、少し前に、ある若い娘から手紙をたのまれたことぐらいですが…。」
それをきいた老人は、死相はその手紙のせいかもしれないというのです。
手紙をあけてみると、「この前お約束した者がやっと見つかりました。この手紙をもっていった者をめしあがってください。」と書いてあったのです。
「この手紙は、七淵ヶ池の大蛇が、権太夫池の大蛇にあてたもので、あなたはあやうく大蛇にのまれるところでしたぞ。遠まわりをして別の道をいきなさい。よいかな。」老人はそういうと、旅人の前から姿を消してしまいました。
この時、旅人を助けた老人は、稲荷様の化身だったといわれています。

 

市町村 行方市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P59 〜 P59
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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