茨城の民話Webアーカイブ

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朝寝坊山

アサ ネボウ ヤマ

原文

むかし、中妻村(現在の東茨城郡内原町)の東側に、高い山があり、朝寝坊山とよばれておりました。なぜなら、この村では山にさえぎられ、朝日の出るのが遅いので、朝寝坊するものが多かったからです。
それにもうひとつ、困ったことには田畑にもあまり陽があたらなかったのです。
ある日のこと、村人たちが野良仕事の帰り道、いつものように朝寝坊山のグチをこぼしながら歩いていると、突然「何が困るんだって!!」と大きな声がしました。
村人たちがびっくりして声のする方を振り返ると、山のような大男がいるではありませんか…。
村人たちは、今度は腰もぬかさんばかりに驚き、声もでませんでした。
「おれは、だいだらぼうというもんだ。いったい何に困ってるんだかいってみな。」というのです。村人たちがおそるおそるわけを話すと、「何だ、それならおれがその山を他へ移してやろう。でも移された村じゃまた困るだろうから人の住んでいない所にするか。」といいながら、朝寝坊山に向かってずんずん歩いていきました。そして、両手をひろげて山をしっかりとかかえこみ、満身の力をこめてもちあげると、のっしのっしと北へ向かって歩いていってしまいました。
それ以来、村では、朝寝坊する人がいなくなり陽あたりもよくなって、田畑の作物がたくさんとれるようになりました。村人たちはこれもみんなだいだらぼうのおかげと感謝をしたということです。この山は、今、水戸市、笠間市と常北町の境にあり、朝房山とよばれています。

 

市町村 水戸市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P57 〜 P57
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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