茨城の民話Webアーカイブ

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不思議な子馬

フシギ ナ コウマ

原文

むかし、花貫川の川下に野々平という村があり、伊兵衛というお百姓さんが一頭のめす馬をかっておりました。ある日のこと、その馬がふしぎな子をうんだのです。その子馬を一目見た人はびっくりぎょうてん。
なんと、子馬の頭には、2本の角がチョコンとはえていたのです。
「あの母馬は、よく名馬里が淵で遊んでおった。きっと淵の主の大蛇の子に違いない。よくないことがおきなければよいが…。」と人々はうわさしました。
子馬が大きくなるにつれ、姿だけではなく、なすことすべてが変わっているということが村中に知れわたるようになりました。
なるほど、子馬は馬小屋の出入口に渡してある棒の上にねていたり、小屋をぬけだして村中を飛ぶように走りまわったり、樹にのぼって遊んでいたりするのです。
村人たちは、ますますこの子馬のことを気味悪がり、とうとう伊兵衛に苦情をいうようになりました。
気の弱い伊兵衛はたまりかねて、ある夜、子馬を花貫川へつれていくと、淵の中ヘドブンと投げこんでしまったのです。
それから何日かたったある晩、村を突然はげしい風雨がおそい、花貫川はあふれ、山をくずして荒れ狂いました。
やがて、嵐が去ると、野々平はあとかたもなく、土砂にうずもれてしまったということです。
これは、花貫川の名馬里が淵にまつわるお話です。

 

市町村 高萩市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P49 〜 P49
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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