茨城の民話Webアーカイブ

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牛になった小僧

ウシ ニ ナッタ コゾウ

原文

むかし、金竜寺(竜ケ崎市若柴町)というお寺に、大そうものぐさな小僧がおりました。仏前でのおつとめはもちろんのこと掃除や食事のかたづけさえも怠けてばかりいるのです。ところが、食べることだけは人並以上—その上、腹いっぱい食べるとゴロリと横になるという悪いくせもついてしまいました。和尚さんもたまりかねて、時々お説教をするのですが、小僧の怠けぐせは、いっこうに直りませんでした。
ある朝、小僧の姿が見えないので、和尚さんと他の小僧たちが、寺のあちこちを探していると、一頭の仔牛が近づいてきました。「和尚さま!!私は、和尚さまのいうことを聞かずに怠けていたので、とうとう牛になってしまいました。皆さん、いろいろお世話になりました。さようなら。」仔牛は、そういうと、近くの沼の方へ走っていってしまいました。驚いた和尚さんたちは、すぐその後を追いかけました。見ると、仔牛が沼の中に入っていこうとしています。和尚さんは、いそいでしっぼをつかんでひきとめ、説得をしたのですがプツリとしっぼが切れ、仔牛は沼の中に消えてしまったのです。それ以来、この沼は牛を食う沼—牛久沼と呼ばれるようになったのだそうです。また、この時ちぎれた牛のしっぽは、払子(注)となりお寺で使われたということです。
(注)払子=僧が使うはたきに似た仏具

 

市町村 牛久市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P41 〜 P41
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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