茨城の民話Webアーカイブ

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臼子悲しや 臼子いずこ

ウスコ コイシヤ ウスコ イズコ

原文

むかし、友部(多賀部十王町)の山に、大きな石臼があり、そこに、毎日粉をひきにくる若い女の人がおりました。その人は、子供を亡くした毋親で、木の実をひいては団子をつくり、子供の墓にそなえていたのです。やがてその人も一人寂しくこの世を去っていきそれ以来、石臼をひきに通う人も少なくなってしまいました。
そのうちに、石臼は、誰かが動かしたのか、あるいは何かのはずみでころがってしまったのか、その場所から消えてしまいました。
やがて冬がきて、ある風の強い晩のことでした。
風の音にまじって、「臼子悲しや、臼子いずこ」と泣く女の人の声が聞こえてきたのです。
それはその晩だけではなく、風の強い日にはきまって「臼子悲しや」の泣き声が聞こえるようになりました。
村人たちの間では、あの若い母親の霊が、石臼を探してさまよい歩いているのだろうといううわさが広まりました。そして不憫に思った村人たちは、手わけをして石臼をさがし出し元の場所にもどしてやったのです、するとそれ以来「臼子悲しや」の泣き声は、聞こえなくなったそうです。これは友部の臼子山に伝わるお話です。

 

市町村 日立市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P33 〜 P33
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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