茨城の民話Webアーカイブ

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大ネズミを退治した十二匹の猫

オオネズミ オ タイジ シタ ジュウニヒキ ノ ネコ

原文

むかし、旅のお坊さんが筑波山のそばを通りかかりました。
日も暮れてきたので、近くにお寺はないかと村人にたずねました。すると、村人は「この先の山の中にお寺はあるのですが、いまは誰一人住んでおりません。その上、不思議なことに時々旅のお坊さんが入っていくのは見るのですが、出てきたのを見たことがないのです。どうかあのお寺にはいかないで、うちにお泊りください。」というのです。
でもこのお坊さんは、大そう度胸のある人で、村人のとめるのも聞かずそのお寺に向かっていきました。そのお寺は、村人のいう通り荒れはてておりましたが、お坊さんは気にもとめずゴロリと横になると眠ってしまいました。ふと夜中にめをさますと、大きな猫があらわれ「私はこの寺でかわれていた猫です。この山には、千年も生きている大ネズミがいてこの寺に来た人をみんな食い殺してしまうのです。
お坊さんにお願いがあります。私の兄弟・仲間を集めてきてくれませんか。どうしてもこのネズミを退治したいのです。」というのです。お坊さんは、その夜のうちに、のぞみ通り十一匹の猫をつれてきてやりました。
そして、どうしたものかと夜中にそっと様子をうかがうと、猫とネズミの死闘が延々とくりひろげられておりました。明方、話を聞いた村人がお寺へやってきますと、十二匹の猫と犬程もあるネズミが力つきて死んでおりました。そこでお坊さんと村人は、十三の塚をつくり猫とネズミを供養したそうです。これは八郷町小幡に伝わる十三塚のお話です。

 

市町村 石岡市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P31 〜 P31
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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