五浦の北側には、チャンポン洞という洞くつがあります。
満潮の時、チャンポン、チャンポンという音が聞こえるので、この名がついたといわれています。
むかし、大津の浜の漁師の伍助という男が、ある夜、五浦まできてこのチャンポン洞のそばを通りかかり、中に入ってみますと、驚いたことに美しい姫君が侍女を相手に、機を織っているではありませんか。伍助はそこでたいそうごちそうになり、その上、珊瑚の玉をお土産にもらいました。姫は伍助にくれぐれもこのことは他の人に言わないで下さいとたのみました。でも伍助は黙っていられず漁師仲間に話してしまったのです。そして、その友達と二人でもう一度チャンポン洞の中へ入っていきますと、ガラガラと洞くつはくずれ落ち、二人はとうとう生きて帰れなかったそうです。五浦のこの話は、どこか浦島太郎の話を思いおこさせます。