茨城の民話Webアーカイブ

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竜宮からの贈り物

リュウグウ カラ ノ オクリモノ

原文

むかし、こなじが浜(鹿島郡旭村)というところに、大きな黒いものが流れつきました。村の人が近づいてみると、それは2つの釣鐘でした。
村人たちが浜へひきあげようとしてもびくともしません。仕方なく国分寺(石岡)のお坊さんのところへ相談にいきました。
するとお坊さんは、「不思議なことだ。ゆうべ竜宮から国分寺に、2つの鐘『雄鐘と雌鐘』を贈るから大事にしてくれという夢をみたばかりだ。」というのです。
村人とともにお坊さんは浜へいき、釣鐘のそばでお経を読みました。
すると、釣鐘は少しづつ浮き上がってきたのです。村人たちは力を合わせ、2つの鐘を大八車にのせると国分寺へ運びました。
村人たちは2つの鐘を並べて「これは仲のよい夫婦鐘だ。」と喜びました。それから毎朝、毎晩雄鐘と雌鐘の鐘の音が村中にひびくようになりました。
しばらくして、川の土手の工事があり、仕事の合図に使うので雌鐘がかり出されました。
ところが悪いことを考えるものがいるもので、その鐘を江戸で売ろうと夜中にぬすみ出し、舟につんで霞ヶ浦へこぎだしたのです。すると、突然嵐になり、鐘も泥棒たちも湖の底に沈んでしまったというのです。
そして嵐の晩になると今でも雄鐘を呼ぶ低い鐘の音がするのだそうです。
鹿島にはこの他に、弁慶が男女2つの鐘を運んだという話も残っています。

 

市町村 鹿嶋市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P13 〜 P13
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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