今から八〇〇年程前、源頼政は平清盛を討とうとして破れ、宇治の平等院で亡くなりました。その時家来に、遺骨を頭陀袋に入れ諸国を回り、異変のおきた所に骨を納めてくれと頼みました。
家来は遺言通り、頭陀袋に遺骨を入れ諸国を回りました。
そして、下総国古河の立崎まできて、袋を首からはずし休みました。
やがて出発しようと立ちあがりましたが、頭陀袋が重くなり持ちあがりません。家来は、ここに塚を築き骨を納めました。
これが頼政神社であるというのです。
もう一つ古河市内には、雀神社があります。源頼政の娘に雀姫という美しい姫がおりこの姫が亡くなった時、どこからともなく雀の大群が押し寄せ、姫の死を嘆き悲しんだというのです。村の人々は姫の霊をまつり雀神社を建てたという話が残っています。この話は、雀神社と頼政を結びつけたもので、史実としての根拠は無いようです。むしろ「鎮め」が「すずめ」に変わっていったのではないかともいわれています。その後両神社とも渡良瀬川の改修工事で現在地に移されています。