茨城の民話Webアーカイブ

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桃太郎

モモタロウ

昔話

動物が登場するおはなし|子どもが誕生するおはなし

再話文

この話は大子町槇野地大野平(現大子町大字浅川)に住んでおられた方から聞いたお話だそうです。
むかし元気なおじいさんとおばあさんがいました。おばあさんは川に洗濯へ、おじいさんが山に柴刈りに行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、赤い箱と白い箱が流れてきました。
おばあさんは「白い箱そっち行け、赤い箱こっち来い」といって、赤い箱を家へ持ち帰りました。そしておじいさんが山から帰ってきました。
「おじいさん、おじいさん、川へ洗濯に行ったらこんな箱を拾ってきたので、広げてみましょう。」とおばあさんは言いました。
そして二人で箱を広げると、中には桃が一つ入っていました。
「二人で割って食べましょう。」と桃を割ってみました。すると中から子どもがひょろっと出てきました。
おじいさんとおばあさんはその子を桃太郎と名付けました。
桃太郎はすくすく大きくなりました。そして大人になってある日こう言いました。
「鬼征伐に行きたいから、鬼征伐に行く!」
それで日本一のきみだんごというものを作って桃太郎に持たせました。
桃太郎はきみだんごを持って出発しました。
するとキジがやってきてこう尋ねました。
「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけたものはなんですか。」
桃太郎は
「これは日本一のきみだんご ※1 だよ」
と言いました。キジは
「一つ私にくれませんか。くれたらお供します。」
と言いました。そして桃太郎は一つあげました。そしてキジがお供になりました。
すると今度はイヌがやってきました。
「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけたものはなんですか。」
「日本一のきみだんごだよ。」
と言いました。そしてイヌは
「一つ私にくれませんか。」
と言ってきたので桃太郎はイヌにもきみだんごをあげました。そしてイヌは桃太郎の弟子となって一緒についていくことになりました。
そして今後はサルが来ました。サルは「弟子に」と言ってきたので桃太郎は弟子にして鬼征伐に行きました。
鬼の家に到着すると、桃太郎は大きな槌を使って鬼の家を打ち壊しました。キジは家の中に飛び込んで鬼をやっつけました。
そして桃太郎は鬼たちを征伐して、鬼の沢山の宝物を持ちかえったそうです。おしまい。

※1:「きみだんご」は原話の話者が話した通り。一般的な『桃太郎』では「きびだんご」と言われるもの。

 

市町村 大子町
旧市町村 大子町
原文著者 本アーカイブのための書き下ろし
原文著者(ヨミ) カキオロシ
媒体 その他
収録資料名 本アーカイブのための書き下ろし
収録資料名(ヨミ) カキオロシ
収録資料出版年月日 2019
言語 JPN
方言 標準語
備考 参考 谷本尚史,征谷明,丸山久子編 日本の民話 4 関東 1979.06 pp.47-49
   原話話者 大子町槇野地大野平 藤田カネ(1895年生) 再話 谷本尚史

このおはなしが伝えられた地域