茨城の民話Webアーカイブ

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さるかに合戦

サルカニ ガッセン

昔話

動物が登場するおはなし|いじわるな人が登場するおはなし|めでたしめでたしで終わるおはなし

再話文

この話は勝田市(現ひたちなか市)三反田に住んでおられた方から聞いたお話だそうです。
むかしサルとカニがいました。サルとカニはいっしょに村松詣りに行きました。そうするとサルはお弁当鉢を拾いました。カニは柿の種を拾いました。カニはこの種をまけば、柿がたわわに実るから家へ持って帰ってから庭にまこうと思いました。一方のサルはたちまち一人でお弁当を広げて平らげてしまいました。
家へ帰るとカニは柿の種をまきました。そしてお水をかけてあげました。垣はたちまち大きくなって花が咲きました。そして秋になって真っ赤な柿がたわわに実りました。
サルはカニの家の柿が食べたくなりました。カニは木登りができないので、木登りが上手なサルに「サルさんどうですか?あの柿を一つ採ってくれませんか?」と頼みました。するとサルは「採ってやるよ。」と言って木に登りましたがいっこうにカニに渡す気配はありません。サルはとうとう甘い柿の実をむしゃむしゃ食べちゃいました。
「サルさん自分でばかり食べないで、私にも一つ投げてください。」そうカニが頼み込むとさるはまだまだ青い渋柿を採ってカニの背中めがけて投げつけました。カニは甲羅が割れてしまいました。カニは泣く泣く痛がってうずくまってしまいました。一方サルは逃げかえってしまいました。
そんなサルですから周りで相手にしてくれる者などおらず、友だちは一人もいませんでした。カニは真面目なのでたくさん友だちがいました。するとハチがお見舞いに来てくれました。他にもたくさんの友だちがお見舞いにやってきてくれました。そんな中ハチがこんな計画を提案してきました。
「カニさん心配しないで。敵をとってあげるから。サルはどうせまた柿が欲しくてここにやってくる。私がサルめがけて刺してあげるから。するとサルは痛がって期から降りてくるので、その時木の下に腐った柿を置いておけばそれをサルが踏んで滑って転ぶので、その上に臼さんが高いところから落ちてきてサルを潰しますから。」
そうしているうちに、言った通りにサルがやってきて柿を盗み食いし始めました。柿を夢中になって食べているところめがけてハチがサルの目のあたりを割きました。するとサルは大慌て。目が見えなくなったので、ハチからの攻撃を避けようと、木から降りてきたはいいものの、木の下には腐った柿が敷き詰められていたのでたちまちすべって転んでしまいました。そこに臼が高いところから転げ落ちてきました。そしてサルはつぶされてしまいましたとさ。おしまい。

 

市町村 ひたちなか市
旧市町村 勝田市
原文著者 本アーカイブのための書き下ろし
原文著者(ヨミ) カキオロシ
媒体 その他
収録資料名 本アーカイブのための書き下ろし
収録資料名(ヨミ) カキオロシ
収録資料出版年月日 2019
言語 JPN
方言 標準語
備考 本作品は、以下の作品を参考にして書き下ろしたものです。
参考:勝田市史編さん委員会編 勝田市史 民俗編 勝田市 1975.03 pp.737-738 VI言語生活 1昔話の伝承 4 昔話の代表例 1 猿かに合戦
   原話話者 勝田市(現ひたちなか市)三反田 雲類鷲のぶ(1887年生) 採集日:1971.08.30

このおはなしが伝えられた地域