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昔話

やさしい人が登場するおはなし|こっけいな人・愚かな人が登場するおはなし|結婚するおはなし|めでたしめでたしで終わるおはなし

再話文

この話は旧美野里町堅倉(現小美玉市堅倉)に住んでおられた方から聞いたお話だそうです。
昔あるところにお嫁さんとお姑さんがいました。お嫁さんが顔を真っ青にしているのでお姑さんはお嫁さんにどうしたのか尋ねました。するとお嫁さんは、
「実家では母のために夢中で仕事に励んでいたのですが、おならを出したくなったら自由におならをしていたのです。でも私がこの家に嫁ぐと決まり、母から『嫁ぎ先ではおならをするな』と注意され、おならを我慢するようになったのです。そして嫁いでからおならをしなくなったらこのように青ざめるくらい体がしんどくなってしまったのです。」
とお姑さんに白状しました。お姑さんは
「なんだ、そんなことか。お前はここに嫁いできたんだ。何も恥ずかしいことなんてないんだから、出したいだけ出せばいいのよ。」
とお嫁さんに伝えました。お嫁さんはお姑さんの許しを得られ、こう言いました。
「お義母さん、私は人の顔を見ていたらおならを出せません。お義母さんに背を向けておならをしますね。」
そしてお嫁さんはおならをし始めました。ところがおならが出始めたら、今度はお姑さんがその量にしんどくなってきました。
「もういい加減おならを止めておくれ。」
ただ、人は一度おならを出し始めてしまうとそう簡単に止めることもできません。そしてお嫁さんはとうとうお腹の中にたまっていたおならを全て出し切ってしまいました。
「お義母さん、おかげさまでさっぱりしました。出すだけ出しました。おならを出してしまえば非常に楽になるものだとわかりました。お義母さん、これからもおならはしますがよろしくお願いします。」
そうお嫁さんはお姑さんにお礼を伝えて無事お嫁さんは嫁ぎ先でおならができるようになったそうです。

 

市町村 小美玉市
旧市町村 美野里町
原文著者 本アーカイブのための書き下ろし
原文著者(ヨミ) カキオロシ
生没 不明
生没 不明
媒体 その他
収録資料名 本アーカイブのための書き下ろし
収録資料名(ヨミ) カキオロシ
収録資料出版年月日 2019
言語 JPN
方言 標準語
備考 参考 鶴尾能子編 茨城の昔話 昔話研究資料叢書 7 三弥井書店 1972.05 pp.72-73 屁っぴり嫁
   原話話者 小美玉市堅倉 平本亀雄(1894年生) 再話 鶴尾能子

このおはなしが伝えられた地域