常陸国風土記を訪ねる

夫女ヶ石(ぶじょがいし)

筑波山つくばさんの南斜面、筑波ふれあいの里内にある2つの巨岩で、それぞれの岩は男女を示すとされる。この付近で男女が集って歌を掛け合い饗宴する「嬥歌(歌垣)」が行われたと伝承されている。『常陸国風土記』筑波郡の条で、筑波山に関東中から男女が集って嬥歌が行われた様子が記されている。

指定の種別 未指定
市町村名 つくば市
所在地 つくば市臼井2090-20(筑波ふれあいの里内)
担当課 つくば市教育委員会文化財課
電話番号 029-883-1111(内線:4640)
参考URL なし
常陸国風土記の記載内容
筑波郡

夫れ筑波の岳は、高く山に秀で、最頂は西の峰崢嶸しく、これを雄の神と謂ひて、登臨らしめず。但し、東の峰は、四方磐石にして、昇り降りは坱圠ならずも、其の側に流泉ありて冬も夏も絶えず。坂より已東の諸国の男女、春は花の開ける時、秋は葉の黄づる節、相携ひ騈闐り、飲食を齎賫し、騎に歩に登臨り、遊楽び栖遅へり。其の唱に曰はく、筑波嶺に会はむと云ひし子は誰が言聞けばかみ寝会はずけむ筑波嶺に廬りて妻無しに我が寝む夜ろは早も明けぬかも詠へる歌甚多くして、載車るに勝へず。俗の諺に云はく、筑波嶺の会に娉の財を得ざれば、児女とせずといへり。