茨城の民話Webアーカイブ

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阿漕ケ浦

アコギガウラ

原文

那珂郡東海村にある阿漕ヶ浦には不思議な言い伝えがたくさん残っています。
むかし、水戸光圀公が、苦労して遠くまで足を運ばずともお伊勢参りが出来るようにと、伊勢の皇大神宮を分祀して村松皇大神宮をつくりました。
その時、伊勢の阿漕ヶ浦から魚を持ってきて、池に放したのです。
その魚が不思議なことに背片目だったのだそうです。これについては、長い道中に、魚を入れた器の底に敷いたマコモや濡らして包んだ笹に擦られたためだろうという話や、神様の池の魚をとって食べないようにと、片目の魚の話を広めたのではないかと言うような伝えが残っています。
むかしから、阿漕ヶ浦と日立市の泉ヶ森は、底でつながっているとも言われています。
それは、阿漕ヶ浦に、打出の小槌(あるいは杵)を投げ込んだら、泉ヶ森の方にぽっかりと浮いて出たと言うような。言い伝えがあることから来ているのでしょう。
また、いわき市の沼の内弁財天につながっているとも言われ、そのために、日照りの時でさえも、池の水位が下るだけで、ともに涸れることは無いのだと言われています。
他にも、水底にお姫様が住んでいて機織りをしているとか、海牛が昼寝をしていて、三年とか七年おきに人を引きずり込むから、そんな周期で水の事故が起きるのだという話があります。
海牛の話は、子供達がこの池で水遊びをして溺れたりすることのないよう諭すために、つくられた話かも知れません。

 

市町村 東海村
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P204 〜 P204
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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