茨城の民話Webアーカイブ

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御岩山の三本杉

オイワヤマ ノ サンボンスギ

原文

神峰山の峰続きの御岩山(日立市入四間)には、三本杉と呼ばれる大木があります。幹の周囲が八メートル余り、高さは五十メートルにも達し、推定樹齢五百年とされ、茨城県の天然記念物に指定されています。
地上三メートルのあたりから三本に分かれ、それぞれが同じような高さで、まっすぐ上に伸びている壮大な姿は見事です。
むかし、この木の三つ又のところに、天狗が棲んでおりました。
天狗とは、山の奥深くに棲み、姿は人に似ていますが、鼻が高く赤い顔で、自由に空を飛べる想像上の怪物のことです。
天狗は、人が近づくのを嫌い、この山の御岩神社にお参りにくる人たちに、木の上からいたずらをしたり、脅したりしておりました。
人づてにこの話を聞いた村の子供達は恐がって、決して一人でこの木の下を通ることはありませんでした。お山参りに行く時は、親が子の手をしっかりと引き、天狗の姿を見ないよう足早に通り抜けたということです。
また、この木は、杉葉や枝を家に持ち帰って焚付にしたりすると、不思議なことに、心の病に見舞われるといわれ、御神木とされておりました。
御岩神社は、修験道の修行をする道場として栄えたところで、修行のための山伏の数も多く、そんなことから、このような山奥の修験道場のあるところには、天狗にまつわる伝説がたくさん残っています。
山深く入った時に、大木が倒れるようなすさまじい音やこだまを聞いて、人々はさも天狗のしわざのように、天狗倒しとか天狗笑いなどともいっていたようです。

 

市町村 日立市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P192 〜 P192
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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