第3回 『常陸国風土記』を通じて郷土に誇りを|常陸国風土記人|常陸国風土記1300年記念

常陸国風土記人

第3回 『常陸国風土記』を通じて郷土に誇りを

宮嵜 和洋 氏(株式会社フューチャーリンクネットワーク行方オフィス在籍)

私は、茨城県行方市に生まれ、緑と歴史が豊かな土地で育ちました。私の生まれ育った行方市は『常陸国風土記』の中で唯一全文現存している場所であり、現在でも『常陸国風土記』に登場する地名も多く残る歴史がとても深い土地でもあります。

私は大学時代の卒業論文で、行方郡条に登場する夜刀神について考察し、『常陸国風土記』について調査しておりました。その時、地元の歴史に深く触れ、非常に感動した事とともに、地元の歴史が非常に深いのにもかかわらず、行方市の人々はほとんど行方市の歴史について知らないことに唖然としました。

「なぜ、こんなに素晴らしい歴史があるのにみんな知らないのだろう。」大学時代に『常陸国風土記』に触れ、地元の歴史認識の浅さに私のもどかしさは増す一方でした。

「地元の歴史を少しでも知ることができれば、地元に帰ってくる物が増えるのではないか。」地元の若者は言います。「行方市何にもない。戻っても意味ない。」と。しかし、そんな事はないのです。私達の地元の歴史というものは、意識をしていないだけでたくさんあるのです。

私は、地域の歴史というものは、地元に住む者、特に地元の若者が地元の地域に誇りを持つために非常に重要な事だと考えています。地域を支える若者は、地域の歴史を知ることによって地域の活性化、発展に努めなければならないと思います。

歴史はお金で買うことが出来ません。欲しくても手に入れられるものでもありません。先人たちがこの土地で生きてきた証を、今こそ若者が興味を持ち、積極的に継承、伝承することによって、生まれ育った郷土に誇りを持ち行動しなければならないと思います。

そこで、私は少しでも地元の人々に誇りを持ってもらうために、地域に根ざした歴史から魅力を発信したいと考え、現在は行方市の地域ポータルサイト“なめがた日和”の運営の傍ら、行方市の歴史の魅力を伝えたく「なめがたヒストリー」というコーナーを編集させてもらっております。ご興味のある方はどうぞご覧になられて下さい。今年は『常陸国風土記』が和銅6年(713)に編纂されてからちょうど1300年の記念すべき年であります。茨城県各地で『常陸国風土記』1300年記念事業が行われます。これを機会として皆さまにも郷土に誇りを持っていただければと思います。

プロフィール

駒沢大学文学部歴史学科日本史卒業。琉球大学大学院博士前期課程人文社会科学研究科国際言語文化専攻琉球アジア教育専門領域日本古代史終了。

株式会社フューチャーリンクネットワーク行方オフィス在籍。行方市地域ポータルサイト“なめがた日和”の地域コラム「なめがたヒストリー」編者
→なめがたヒストリー

所属研究会

行方市麻生郷土文化研究会会員、玉造郷土文化研究会会員、藝文友の会会員。
専門は、日本古代史、歴史民俗学。