茨城の民話Webアーカイブ

ヘッダーライン
あいうえお順検索
くわしい検索
ライン

検索結果にもどる

アメノムンドノ

アメノムンドノ

原文

むかしある山の中の一軒家におじいさんとおばあさんがすんでおりました。
今にも雨の降り出しそうな晩のこと、家の外には、二人が寝静まったら忍び込もうと、中の様子をうかがっているどろぼうがいたのです。
二人は、そんなこととは知らずにおしゃべりをしていました。「ばあさんや、ばあさんがこの世で一番おっかないものは何だね。」
「私は、地震がこわいね。」
「いや、もっとおっかないもんだよ。」
「それじや、雷様かな。」
「いや、そんなもんじゃねえ。」
「うーん、じゃあ、どろぼうが一番かね。」
その時、どろぼうは、気付かれたかと思ってギクッとしました。
すると、おじいさんは、「そりゃ、何と言ってもアメノムンドノだよ。」
と言いました。
おばあさんは、「そうそう、アメノムンドノが一番だね。」と相づちをうっています。
どろぼうは、それを聞いてホッとしました。(でも、アメノムンドノとは、いったい何なのだろう…。)
とだんだん不安になってきました。
ちょうどその時、飴が降り始め、やがて本降りになると、家の中のあちこちで、ポトン、ポトンと雨が漏り出しました。
「そら、アメノムンドノがおいでなすった。そう言って、二人がバタバタと動きまわる音が、どろぼうの耳に入ったのです。どろぼうは、びっくりして、一目散に逃げ出してしまいました。
アメノムンドノとは、雨漏りのことだったのです。

 

市町村 東海村
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P157 〜 P157
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

このおはなしが伝えられた地域

資料スキャンデータダウンロード