護法杉
ゴホウスギ
原文
むかし、黒子(関城町)の千妙寺に、黒童子とよばれる小僧がおりました。
色黒のうえに、いつも黒いきものをきていたからです。
住職は、小僧が何年たっても十六、七歳ぐらいのまま、いっこうに年をとらないのをふと不思議に思ったりもしましたが、気にもとめず、寺の雑用などに使っておりました。
ある日、小僧が水くみにいったまま、しばらくもどってこなかったので、帰るなり住職がきつくしかると、小僧は、「すみません。天竺(インド)の川までくみにいってましたので…。」とうっかり、口をすべらせてしまったのです。
実は、この小僧は、護法天の化身で、百三十年間、この寺で七代の住職に仕えていたのでした。
その後まもなく、小僧は、境内の杉の大木を足場にして、天にのぼってしまいました。それ以来、この杉は、護法杉とよばれるようになったのだそうです。
残念なことに、樹齢六百年以上といわれた護法杉は、落雷の後に枯れてしまい今は残っておりません。
※護法天=お釈迦(しゃか)さまに仏法の護持(ごじ)をちかった童子姿の護法の鬼神。
市町村 | 筑西市 |
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原文著者 | 染谷 萬千子 |
原文著者(ヨミ) | ソメヤ マチコ |
生年 | 1947年 |
原文著者備考 | 1947年茨城県ひたちなか市生まれ 茨城大学教育学部美術科卒 1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。 1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展 1983年 水戸で第二回個展 1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展 |
原文著者 | 茨城いすゞ自動車 |
原文著者(ヨミ) | イバラキ イスズ ジドウシャ |
原文著者備考 | 発行 |
原文著者 | 朝日広告社茨城支局 |
原文著者(ヨミ) | アサヒコウコクシャ イバラキシキョク |
原文著者備考 | 企画 |
媒体 | 図書 |
収録資料名 | ふるさとの昔ばなし |
収録資料名(ヨミ) | フルサト ノ ムカシバナシ |
収録資料シリーズ名 | 茨城の自然探訪シリーズ |
民話ページ | P112 〜 P112 |
収録資料出版社 | 茨城いすゞ自動車 |
収録資料出版年月日 | 2000.10.31 |
言語 | 日本語 |
方言 | 標準語 |
備考 | 非売品 |