茨城の民話Webアーカイブ

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永井のお不動さま

ナガイ ノ オフドウサマ

原文

むかし、額田永井(那珂町額田)に、貧しくとも心やさしい夫婦が、一人娘のおさよと幸せにくらしておりました。
ところが、おさよは七つになった時、たちの悪い眼のやまいをわずらい、手当てのかいもなく失明してしまったのです。
それから夫婦は、何とかしておさよの眼を見えるようにしてあげたいと思い続けておりました。
冬のある吹雪の夜のこと−家の戸をたたく者がおりました。
みると、年老いた旅の僧が立っており、一晩泊めてほしいというのです。
夫婦は、こころよく僧をまねき入れ、あたたかくもてなしました。人ごこちがついた僧はおさよの様子に気付き眼が見えなくなったわけをきいたのでした。それは気の毒にと、憎は、夫婦に祈とうの方法を教えて、つぎの朝旅立っていきました。それから二十一日間、僧の教え通りに親子で一心不乱にお祈りを続けました。
やがて満願の日−夢まくらに不思議な僧が立ち、こうお告げになったのです。
「永井の不動の滝の水で、朝夕、眼を洗うがよい。かならずや見えるようになるであろう。」
さっそく、お告げ通りにすると、何日かしておさよの眼は本当に見えるようになりました。夫婦は感謝の気持をこめ、不動堂を建て直して寄進しました。
それ以来、永井のお不動さまは、眼に限らず、どんな病気にもご利益があると、たいへん評判になったのだそうです。

 

市町村 那珂市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P107 〜 P107
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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