茨城の民話Webアーカイブ

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満福寺の犬塚薬師

マンプクジ ノ イヌヅカ ヤクシ

原文

ある日、上檜沢(那珂郡美和村)の満福寺というお寺の住職が鎌倉に急用ができ、使いを出すことになりました。住職は、その使いを誰にするか村人たちと相談し、さんざん思案の末に一頭の犬を選びました。この犬は、賢い上に、足も速いと村でも評判の犬でした。
首に文箱をつけられた犬は、住職たちの指示通り鎌倉めざして出発しました。昼も夜も休まず走り続け、やっと鎌倉に到着するや、その足で今度は返事をもって帰路を急いだのです。帰りもやはり、一路満福寺をめざして昼夜一所懸命走り続けました。
犬の帰りを心待ちにしていた住職たちの耳に、犬の鳴き声が聞こえました。外に出てみると、文箱をもった犬が息も絶えだえに駆け寄ってきたのです。
そして、鎌倉を休まずに往復した疲れから、どっとその場に倒れて死んでしまったのです。住職たちはこの忠誠心の強い犬をあわれに思い、手厚く葬った上に、境内に薬師如来を安置し、犬塚薬師と名づけたということです。このあたりには、「ナキダイラ」(犬が鳴きながら通ったところ)、「犬塚」(犬の死骸を埋めたところ)、「箱地」(文箱を埋めたところ)という地名が残っています。

 

市町村 常陸大宮市
原文著者 染谷 萬千子
原文著者(ヨミ) ソメヤ マチコ
生年 1947年
原文著者備考 1947年茨城県ひたちなか市生まれ
茨城大学教育学部美術科卒
1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。
1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展
1983年 水戸で第二回個展
1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展
原文著者 茨城いすゞ自動車
原文著者(ヨミ) イバラキ イスズ ジドウシャ
原文著者備考 発行
原文著者 朝日広告社茨城支局
原文著者(ヨミ) アサヒコウコクシャ イバラキシキョク
原文著者備考 企画
媒体 図書
収録資料名 ふるさとの昔ばなし
収録資料名(ヨミ) フルサト ノ ムカシバナシ
収録資料シリーズ名 茨城の自然探訪シリーズ
民話ページ P37 〜 P37
収録資料出版社 茨城いすゞ自動車
収録資料出版年月日 2000.10.31
言語 日本語
方言 標準語
備考 非売品

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