鷹をつれ戻した紋三郎狐
タカ オ ツレモドシタ モンザブロウ ギツネ
原文
むかし、あるお殿さまが笠間で鷹狩りをしておりました。鷹狩りとは、飼いならした鷹を放して、鳥や小さいけものなどを捕えさせる猟のことです。
ところが、狩りが終っても鷹が一羽だけもどってこないのです。「これは狐のしわざに違いない。」お殿さまは、大事にしていた鷹をなくしたものですから、大そう腹を立て「このあたりの狐を残らず退治してしまえ。」と家来たちに命じました。
次の日、狐狩りをはじめようとしていたお殿さまの前に、見知らぬ老人があらわれました。「どうか、狐狩りを三日ほど待っていただけないでしょうか。必ず三日後には鷹をつれもどした上に、悪い狐もつれてまいります。」というのです。お殿さまは、ひとまず老人のことばを信じることにしました。そして約束の三日後、老人のことば通り、鷹がお殿さまのもとにもどってきたのです。
お殿さまは、狐の件も確かめようと、先日の狩り場に行ってみると、驚いたことに、そこに一尾の狐が倒れておりました。
実は、その老人というのは、笠間稲荷の紋三郎狐が化けたもので、いたずらをした狐を捕えて、殿さまとの約束を果たし罪もない多くの仲間を助けたのでした。
市町村 | 笠間市 |
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原文著者 | 染谷 萬千子 |
原文著者(ヨミ) | ソメヤ マチコ |
生年 | 1947年 |
原文著者備考 | 1947年茨城県ひたちなか市生まれ 茨城大学教育学部美術科卒 1973年から1999年まで約26年間朝日広告社茨城支局に勤務し、新聞広告他制作を担当。1981年から茨城の自然探訪シリーズ「ふるさとの昔ばなし」を制作。現在も継続中。余暇には、旧姓岩谷萬千子で版画・アクリル画の政策に取り組む。 1977年 日本板画院展新人賞受賞 水戸で第一回個展 1983年 水戸で第二回個展 1990年 いすゞギャラリーで「ふるさとの昔ばなし」版画展 |
原文著者 | 茨城いすゞ自動車 |
原文著者(ヨミ) | イバラキ イスズ ジドウシャ |
原文著者備考 | 発行 |
原文著者 | 朝日広告社茨城支局 |
原文著者(ヨミ) | アサヒコウコクシャ イバラキシキョク |
原文著者備考 | 企画 |
媒体 | 図書 |
収録資料名 | ふるさとの昔ばなし |
収録資料名(ヨミ) | フルサト ノ ムカシバナシ |
収録資料シリーズ名 | 茨城の自然探訪シリーズ |
民話ページ | P36 〜 P36 |
収録資料出版社 | 茨城いすゞ自動車 |
収録資料出版年月日 | 2000.10.31 |
言語 | 日本語 |
方言 | 標準語 |
備考 | 非売品 |