大畑のからかさ万灯
国選択・茨城県指定民俗文化財。大畑の地名が示すように畑作地帯であるため、雨乞い祈願として始められたといわれる。万灯のからかさ制作は8月上旬におこなわれる。傘の大きさは直径5m、高さ6mくらいで竹でできている。直径5mほどの大傘に「八つ口」「手ぼたん」などとよばれる花火の仕掛けをする。かつて、火薬の調合は秘伝とされ、氏子の長男だけに口伝で伝えられてきた。万灯祭当日になると、保存会の手によって万灯が組み上げられ、飾り付けが行われる。当日の午前中は例大祭がおこなわれている。当日の午後は大畑集落内を山車が巡行する。また、夜になると点火までのあいだに各種の余興がある。夜9時になると綱火によって火がつけられる。かつては鳥居から拝殿前に立てられたからかさへと綱火によって点火された。現在は神社脇の広場に舞台を組み、そこと唐傘とが綱で結ばれ、点火されている。綱火によって走ってきた火は、大傘に点火、続いて傘の周囲に下げられた手ボタンに着火する。さらに上部の八つ口へと火が移り、四方八方に火を吹きだす。火花が五月雨のように降り注ぐ様子は、降雨を祈る農民の気持ちを表しているとされ、クライマックスを迎える。花火が終わった後、唐傘に提げられた提灯にいくつ火が灯ったかによって豊凶を占う。亦からかさ仕掛の火薬の火が消えると同時に傘の下に飾られた椿を型取った造花を若者等が先を争って取り合う光景となる。これは火薬の火は悪を焼き払う信じられ、丸い輪に包んで玄関前に飾って置くと悪病が退散し家族が年間健康に過ごせるとした風習によるもので現在も行われている。(土浦市文化課提供)
ファイルサイズ:425.9MB
読み仮名 | おおばたけのからかさまんとう |
---|---|
市町村名 | 土浦市 |
活動実施場所 | 新治村大畑1181-1(鷲神社) |
ジャンル | その他 |
行事日 | 8月15日(旧8月17日) |
季節 | 夏 |
文化財の体系 | 無形民俗文化財 |
文化財等の指定区分 | 国選択 |
指定年月日 | 1982年12月21日 |
存続状況 | 活動中 |
活動団体名 | 大畑のからかさ万灯保存会 |
備考 | 写真提供者:常陽藝文センター |