茨城の民話Webアーカイブ

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ダイダラボウ伝説

ダイダラボウ デンセツ

伝説

その他

再話文

大昔、このあたりにはダイダラボウという大きな男がいたそうです。
昔は今より空の高さが低かったそうで、ダイダラボウが低い空を持ち上げて今の高い空を作ったそうです。他にも、お腹が空いたら、海の水を手ですくって、魚や貝を一気に食べては貝殻や骨をペッ、と吐き出しました。すると貝塚という小高い山ができました。今でもお隣水戸市にある大串貝塚(おおぐしかいづか)にはその跡が残っていて、高さ20メートル以上もあるダイダラボウの像が空から町を眺めています。
 ある日ダイダラボウは村人から声をかけられました。「おーい、ダイダラボウ。南に大きな山があって日が当たらない。なのでお米が育ちにくいんだ。何とかしてくれないかー?」
 ダイダラボウは少し考えてこう答えました。
 「わかったー。そしたら明日山を北の方へ動かしてやるよ。」
 そういって、ダイダラボウは村人たちと約束をしました。
 次の日の朝、ダイダラボウは村人との約束通り、村の南にある山を「エイッ」と持ち上げました。そしてダイダラボウは村の北側にその山を「どっこいしょ」と置きました。
 「おーい、山を動かしてやったぞー!」ダイダラボウは村人たちに山を動かしたことを伝えました。村人たちは本当に山がなくなっていてびっくり。そして、同時に喜びました。「ダイダラボウ、これでたくさんお米が採れるようになるぞー!」そして翌年からこの村の田んぼではたわわに稲穂が実るようになりました。
 ダイダラボウによって移された山は、笠間市と水戸市と城里町の境にある「朝房山(あさぼうやま)」だといわれています。

 

市町村 ひたちなか市, 水戸市, 笠間市, 城里町
旧市町村 那珂湊市, 勝田市, 笠間市, 内原町, 常北町, 水戸市

このおはなしが伝えられた地域