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№15 伝統芸能の日本舞踊を次世代に。土浦日舞 子供体験教室

 

日本舞踊ってどんなイメージでしょうか?難しい?厳しいお稽古の世界?一部にはそのようなイメージもある日本舞踊の世界を、子どもたちに広げる活動をされているのが、茨城県土浦市の土浦日舞子供体験教室。そこで講師を務める若柳久美穂(わかやぎ くみほ)先生にお話を伺いました。

 

 

土浦日舞子供体験教室の特徴

日本舞踊は伝統舞踊で、歌舞伎や能から繋がる舞踊が基本。土浦日舞子供体験教室でも、長唄・清元に合わせて踊るのが通常です。
そんな中、老人ホームなどの慰問では歌謡曲を取り入れることも多く、ご年配の方からとても喜ばれているそうです。2019年2月にイオンモール水戸内原で行われた子ども伝統文化フェスティバルでは、低学年の子供たちが「一円玉の旅がらす」を披露する姿が、観客の顔をほころばせていました。

 

 

礼儀作法、着物、お扇子・・・。日本古来の伝統を子供たちに。

若柳先生の教室は、子供が多いのが特徴。子供たちが日舞を学ぶのは、単に踊りを学ぶということにとどまりません。若柳先生は「礼儀作法、着物、お扇子を扱う所作など、普段の生活では触れなくなってしまった日本古来の伝統を身につけることに大きな意味があります」と語ります。
若柳先生も関わる文化庁の「伝統文化親子教室事業」には、毎年15人程度の子供たちが参加。1年間で15回程度のお稽古を経て年度末に舞台で発表をします。
幅広い年齢層が学ぶ土浦日舞子供体験教室ですが、若い方が少ないのが悩みといいます。子供かシニア世代が多く、20代が少ないとのこと。
しかし、小さいころ学べばいつか戻ってくると思って子供教室を続けられる若柳先生。そんな中でうれしかったのが、幼い頃に学んだ子どもたちが二十歳くらいになってまた来てくれたこと。地元や東京の大学に通いながら、忙しい中でも時間を作って稽古に来る様子に「かわいくて仕方がない。」と目を細められました。

 


 

「どんなことでも長く続けて」読者の皆さんへのメッセージ

子ども時代から学んでいることが、進学、就職、結婚、子育てなど、ライフステージの変化によって続けるのが難しくなってしまうことは多くあります。実際にたくさんの子どもたちの指導にあたり、そういった局面を多く目の当たりにされてきた若柳先生。先生自身も小さなときに日本舞踊を学びましたが、子育て期はお稽古ができず、ご自身の子育てがひと段落してからお弟子さんを取るようになったそうです。
読者の方々へのメッセージを伺うと、それでも続けてこられたご自身の経歴を振り返り、若柳先生は次のように語られました。「伝統芸能は、なんでも長くやらないと自分のものにならないという世界。どんなことでも、興味を持ったら、とにかく長く、ぜひ続けて下さい。」
生徒さんたちの演技を見守る眼差しが素敵な若柳先生。憧れの日舞の世界、まずは気軽に触れてみてはいかがでしょうか?